アトピーっ子情報館のsaikoママです。
前回の記事で、アトピー性皮膚炎にともなう感染症には
ステロイドやプロトピックのような免疫抑制剤を使用するべきではないと書きました。
プロトピックはステロイドより抑制力の強い免疫抑制剤です。
アメリカでは2歳未満には使用できないのですが、
日本では新生児にも処方されているのが現実です。
プロトピックは発がん性があるというリスクも報告されています。
アトピーの人がかかりやすい感染症にカポジ水痘様発疹症があります。
カポジ水痘様発疹症とは単純ヘルペスウィルスとの接触により
皮膚が赤く腫れて小さな水疱が群がってできる皮膚疾患です。
皮膚に基礎疾患を持っているアトピーの人などに多く見られます。
あるデータによると、2006年頃からカポジ水痘様発疹症を発症するアトピーの患者が増えています。
その原因はプロトピックにあるのではないかといわれています。
ステロイドとカポジ水痘様発疹症の関係は、点滴や内服によって発症するケースの報告はありますが、
ステロイドの外用での報告はないそうです。
しかし、プロトピックの場合は塗布でも発症に至るケースがみられます。
プロトピックは強い免疫抑制剤で、臓器移植の際などその活用の場は少なくありません。
でも、アトピー湿疹に繰り返し塗布することはカポジ水痘様発疹症だけでなく、発がん性など
様々なリスクが考えられます。
それに、プロトピックを使ったからといってアトピーが治るわけではありません。
一時的に、それを使用している間だけ症状を抑えているだけで
止めたら再びアトピーは火をふきます。
その効果とリスクを熟考して使うか使わないか決めてください。
★チョットひとこと★
プロトピックと同じように、強い免疫抑制力をもつ薬に
シクロスポリンというものがあります。
これは海外でアトピーの人に処方されることが多いそうです。
このシクロスポリンも発がん性があり、また、
ステロイドとの併用によって骨密度の低下も報告されています。
日本では、成人の重度のアトピー患者に投与が認められているようですが、
その対象も使用方法も厳しい基準があります。